身体から離れ背を向けると、その気持ちを察したのでしょう。

 「少し苛めてやるか」

そう言ってニヤリと笑った彼が、どんな方法を考えているのかは分かりません。

 「なあ、女の悩みは女で解決するさ。 今夜は昔を思い出して遊ぼうや」

 良い酔い方をしていたのも手伝い、その後あまり高くないクラブ等、何軒か梯子をし店の女の子に声を掛けましたが全て失敗。

まあ、おいそれと持ち帰りの出来る年でもないし、身分でもないのでしょう。それでも久し振りに楽しい夜を送れた事に、友に感謝です。

かなり遅い時間の帰宅だったと思いますが、妻は起きて帰りを待っていました。

 酔った頭の中には、女の子と何も出来なかった悶々とした感情があったのでしょう。

 『女の悩みは女で解決』同僚のその言葉が『妻の悩みは妻で解決するさ』そんなふうに頭の中を駆け巡り、会話を求めているのも構わずに強引に寝室に連れ込みます。

 荒々しく服を剥ぎ取られ少し抵抗をしましたが、諦めたようです。

しかし、その夜の彼女は私の行為が終わるまで何の反応も示さないよう、じっと耐えているように感じました。

そんな態度に程よい酔いも急に覚め、虚しさが襲うのを抑えられません。

 「悪かった。如何にかしてたな」

 身体から離れ背を向けると、その気持ちを察したのでしょう。

 「私こそごめんなさい」

 私の背中を何度かさすり、静かに寝室から出て行きました。

 妻の後姿を見る事もなく、私は背を向けたままです。

 彼女と歩んだ人生で、後姿をまともに見た事があったのかな。

 責任は一人だけに押し付けるものでも、背負うものでもないのでしょうね。

もしも時間を巻き戻せるなら、二人が信頼しあえる家庭を築く努力が出来るのかな?そう、自分に問い掛けてみます。

・・・・答えは出てるよな・・・・妻の○倫を盾に取り、それを責めて離婚に持ち込もうなんて姑息な真似はやめましょう。

それは妻のためでも家族のためでもなく、私自身のためにです。

 惰性で生きて行くのはやめ、これからは自分の意志を第一に生きて行こう。人生が終わる時に、後悔がないように。